風に乗って一気に舞い上がった凧が、逆風に煽られ真っ逆さまに落下する。奈落の底に突き落とされた。

「こんなことがあっていいのか!」

チュロスを始めて最初の壁にぶち当たった。立ち上げの3年間は苦労していたがそれでも楽しかった。

今回は違った。

設備投資をした矢先の出来事で、売上が放物線を描くように落ち込んだ。
全て私の読み間違いから生じたものである。半年で売上が約半分に落ち込んだ。余裕のある時というのは頭も回るものだが、心に余裕のない時というのは焦りばかりで何も出てこない。

「倒産するのではないか?」

という恐怖感が出てくるため冷静に考えられないのである。マイナスの要素が次から次と出てくる。最後は腹をくくった。もう半分の売上でやっていく。それで全ての組み直しを開始した。