1989年を迎えて気分一新してスタートを切った。

苦労の連続だった。

「外はサクッ!と中はシットリ」をクリアし、40㎝の長さに耐えられるために、最終的には粉の改善とチュロスの断面の形であった。

粉の改善はA社が本当に良くやってくれた。何度も成分を変更しチャレンジし続けてくれた。A社にお願いして良かった。他のところではここまででできなかったし、しなかったと思った。チュロスはA社だからできたと思っている。

一方、形に関しては、星型にすることにより表面がサクッと仕上がり、中はシットリと想定通りになった。

あとは折れにくくするだけであった。

ここで考えたのが星を何角形にするかであった。

5角形から10角形迄いろいろやってみ。断面図からいくと五角形と六角形が見た目には最高に良いが品質に問題が出た。

9角形が一番折れにくく、食感も私の理想に一番近かった。

段ボール箱一杯にチュロスの型枠が残っている。我々の苦労と夢の跡である。

もう一つは太さそのものも食感に大きくかかわってくる。これも最適を見つけた。

ようやく目途が立ったのは6月の下旬であった。丸々1年経過していた。
この間どれだけ試食をしたか、最初の内は正式な試食は1本食べないと意味がないと思い実践していたが、その内、これはたまらんと思うようになり、半分になり、四分の一になり最後は一口になった。1日に食べる本数が20本を超えた。

9角形の星形のチュロス